サインのデザイン

非常に珍しいデザイン依頼をいただき、先日「納品」しました。
サイン計画のことではなく、autograph のほうのサインです。

ご依頼主は、ドイツ在住のフルート奏者・関根雅裕さん。以前、日本での公演に絡むグラフィックデザインをやらせていただいた関係です。
僕自身もそうですが、自分の名前で仕事をしていると様々な場面でサインを求められます。関根さんも幾多の求めに応じる中で、単なる文字列ではない、オリジナリティのあるサインの必要性を感じられたそうです。

サインのデザインをするにあたって、まず、利き手を伺いました。右利きと左利きとでは、描きやすいラインが全く違うからです。
次に、関根さんが職業柄、文字以外で書く機会が多いと思われる「音符」に注目しました。何より「音符」は音楽に関わりがあることを視覚的に伝える、非常に分かりやすい図形でもあります。ベタかもしれないけれど、この「音符」を何らかの形でサインに組み込みたいと思いました。
また、ドイツを拠点にグローバルに活動をされている関根さんの柏公演を聴いた際、日本の民謡をテーマにした楽曲の演奏に、日本人ならではの言葉や文化に裏打ちされた息づかいを感じ「生い立ちが音楽に命を吹き込んでいる!」と非常に感動した経験から、他文化に迎合しない堂々とした日本語のサインが「世界の中の関根さん」らしいかな、と思いました。

そんなことをあれこれと考えながら試行錯誤して辿り着いたのが、音符などの音楽記号によって構成された漢字による「関根」のサイン。これをお送りしたところ、即座に喜びのお返事をいただきました。気に入っていただけたようで、嬉しいかぎりです。
これを音楽表現したら、果たしてどんな音になるのかな?なんて、思います。
最終的には、関根さんの手によって何百回何千回と書いていくうちにご自身のものになります。楽しみです。



ちなみに、僕のサインは中学生の時に考えたものです(笑)。「Kしみず」を勢い良く書いた形になっています。なぜ当時サインなんか考えたのか(必要もなかったろうに)、今となっては覚えてませんが、以来25年くらい全く変えることなく使っています。

コメント
清水さん、興味深く拝読しました。サインにも随分慣れてきました。まだドイツ人にしか披露していませんが、例えば小学生のフルートの生徒たちは、このサインに音符や休符、小節線やスラーが潜んでいることにすぐに気が付き、一生懸命に真似て書いていました。実はこれが楽典のレッスンに様変わりし、大変重宝しています。(笑)

子供たちにとって漢字はそれだけで面白いようで、機会があるごとに文字を書いて遊んでいます(レッスンの邪魔になることもありますが)。「関根」という字はそれだけだと生徒には覚えられないのですが、このサインがあるとすぐに思い出せるようで、音楽の記号がリンクの役割をしているのはとても興味深いです。

このサインは、日本人である自分と西洋音楽の融合を想像させてくれます。ドイツでの生活が長くなればなるほど、日本をより意識するようになってきています。フルートは西洋の楽器であっても、日本を表現することは可能だと確信していますし、自分のルーツを見失ってはいけないと思っています。

最後に、このサインを音楽表現したらどうなるのか…。僕は作曲はできませんが、音符の感じで「es pause e――」でしょうか。「関根」をアルファベットで書くと「Sekine」になります。最初の「S」はドイツ音名の「Es」。次は「e」。「kin」は音名にないので省いて、最後の「e」。2つの「e」はタイで繋がっています。いかがでしょうか?(笑)
  • 関根雅裕
  • 2013/11/20 7:21 AM
関根さん、ご本人からの貴重なコメント、ありがとうございます!
サインが単なる署名ではなくコミュニケーションの起点にもなる、というのはとても興味深いことで、僕にとっても新たな発見でした。
また、"es pause e――"という解釈、なるほど面白いです(そう考えると"Bach"などは簡単に音楽表現できる名前ですね。笑)。ちょうど作曲家の知人に会う予定があるので、むちゃ振りをしてこのサインを実際に音にしてもらおうかと思います。ステキなメロディーだったら、サウンドアイデンティティになるかも?
  • 清水慶太
  • 2013/11/20 11:00 AM
清水さん

そう、デザインしていただいたサインはコミュニケーションの起点になります。ドイツ人からすると、なぜ僕のサインがこうなのかを知りたくなります。僕としては、これが漢字から成り立っていて、しかも音楽をやっているから音符とかに変身しているんだよ、と伝えます。そこから日本文化や西洋音楽の話へと発展できる可能性大です!

そう、バッハの真似をしてみました。バッハは自分の苗字をモチーフに使っていましたし、武満徹さんなんかもそうです。武満徹さんはご自身の苗字からa, e, sを取って「sea」というモチーフを使われています。

サウンドアイデンティティも面白いですね。よく大企業のCMなどにありますよね。そんなサウンドアイデンティティを名刺に楽譜にして記すのも面白そうです。
  • 関根雅裕
  • 2013/11/21 10:28 PM
関根さん、こんばんは。
限られた面積や短い時間で表現するアイデンティティって、インパクトのみならず、そこからいかに興味を持ってもらい広げていくかが重要ですよね。
その点、サインというのは、必ず本人がその場にいて記すわけですから、名刺同様、非常に効果的なコミュニケーション起点になると思います。
是非、ご活用ください。

というか、今度お会いするとき、サインください!(笑)
  • 清水慶太
  • 2013/11/23 11:48 PM
清水さん、こんにちは!
そうですね、サインは名刺同様、もしかするとそれ以上のインパクトがあるかもしれませんね。僕は特に自筆というところに魅力を感じます。
年内のお会いできるかもしれませんね。サイン、そのときに披露します!(笑)
  • 関根雅裕
  • 2013/11/27 4:33 PM
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