海好き

東京、横浜、サンフランシスコ、シアトル…

僕が少年期を過ごした都市には、だいたい海がありました。港だったり砂浜だったり。

その影響か僕は海が大好きで、今でもプロダクトをデザインする際に「海の見える景色に合う」イメージを頭の片隅に置いていることが少なくありません。フォルムのモチーフを客船などに見いだすこともあります。船が旅立つ先、水平線の先の大海の向こうには色んな国があって、無限の夢が広がっているように感じます。


久しぶりに変えてみたWebトップページの画像は、最近訪れた千葉の港で撮影した写真です。

何層にも塗り重ねられたペンキのテクスチャなんかも人間の営みが感じられて、なかなか良いんだよなぁ…。




チェロとバイオリンのこと

 

小5のとき、当時通っていたシアトルの小学校の音楽教育の一環でチェロを習い始めました。高校ではオーケストラ部に所属し、大学進学後もあちこちのアマチュアオーケストラや室内楽の演奏に参加しました。最近は表立った活動はせず、仕事の合間に触って気分転換をする程度です。

チェロを始めたことで楽器全般に興味を持つようになった僕ですが、中でもバイオリンにはずっと魅せられ続けています。プロダクトデザイナー的な視点からも、この楽器には惹き付けられます。実に勉強になるのです。例えば...


1)マイナーな改良はあったものの基本的に400年以上デザインが変わっておらず、また音楽のジャンルを問わず同じ楽器を使用できるほど完成しており、普遍性がある。


2)一見装飾的な形状も全て必然の造形である。無駄がないのに美しい、究極の機能美である。


3)職人の手による一点物がある一方で量産品もあり、作家性生産性を兼ね備えている。


4)決まったフォーマット(秩序)の中にも明確な違いが出るため、統一感を求められるマスから個性が重視されるソロまで汎用性が高い。


5)極めて高度でデリケートなパフォーマンスを実現させる道具であり、使い手に活かされ使い手を活かす、高いインタラクションがある。


6)誰が見ても分かる、音楽を象徴するアイコンであり、圧倒的なカリスマ性がある。


7)歴史的なものの中には楽器としてのみならず美術品として扱われるものもあり、芸術的価値が高い。


8)修繕を繰り返されながらも本体に限っては何百年も現役のものも存在し、驚くべき耐久性がある。また、そこまで活かされ続けるだけの愛着を生み出していることも確かである。


9)アマチュアからプロまでパイが広く、ピアノやフルートと並んで習う人が非常に多いが、子供は成長に合わせたサイズの楽器を使うため「一家に一台」「一人一本」ではなく「一人数本」の場合があり、製品に対する需要が安定して大きい。

こんなに完成度の高いプロダクトは他にありません。
いつもデスクからこれらの楽器を眺め、プロダクトデザインの心を忘れてはいけないなと思いながら仕事をしています。

事務所が楽器屋みたいになっちゃってますが…(笑)


椅子塾と井上昇さん

2003年の初頭、ミラノへ渡る前、デザイナーの井上昇さんが主催する「椅子塾」に通い、椅子のデザインについて、人間工学的な側面から勉強をさせていただきました。
実は、そこで指導を受けながら設計したダイニングチェアが、のちに日本のメーカーから商品化され僕にとってのデビュー作となったので、椅子塾に通わなかったら今の自分はいないと思ってます。
井上さんは大手オフィス家具メーカー勤務を経て渡米し、帰国後数々のヒット商品を世に出して来られました。設計のみならず、数字のお話が大好きなかたなので、フリーランスデザイナーとしてやっていくための契約関係についても、かなり色々と教えていただきました。最も実践的な恩師といって良いかと思います。

そんな井上さんに、新宿OZONEで開催されていた「椅子塾展」でお会いすることができました。今は椅子塾での指導の他、ご自身で家具の販売も行なっていて、非常に楽しそうです。

椅子塾のサイトはこちら→http://www.isujuku.com


グッドデザイン賞受賞

そういえば、ブログに書こうと思っていて書きそびれていたことがありました(ウェブの NEWS には載せてあったのですが...)。

羽田空港などに納入されている Alant (イトーキ)がグッドデザイン賞を受賞しました。

審査員の評価は次の通り:
「とかく無機質になりがちな空港ロビーの中にあって、ロビーチェアは重要な役割を持つ。このロビーチェア『アーラント』は国産材を用い、合板成形による曲げ加工によって緩やかな曲線と適度の弾性が生まれ、全体を温もりあるデザインにまとめられている。欠航などで長時間の滞在を強いられた旅行者やビジネスマンの疲れた体をいたわり、一時の安らぎを与えてくれるだろう。平成22年に『公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律』が後押ししたことも見逃せない事実である。」

光栄です。

TOKYO DESIGNERS WEEK TV on YouTube

僕が出演した回も YouTube で視聴できるようです。
最後のほうに登場しますが、だいぶ編集されて短くなってます(笑)

テレビ番組ゲスト出演、そして振り返る。

 10日ほど前、TOKYO DESIGNERS WEEK TVBS日テレ)の収録にのぞみました。番組ゲストとして、今年の TOKYO DESIGNERS WEEK プロ作品展について出展者の立場からあれこれ語りました。放映日は... 実はまだ分かりません。が、分かり次第ご案内したいと思ってます。10月のいずれかの月曜日の夜11時〜ということになるはず。(→10月15日に決まったようです。9.24 追記)→10月8日に変更になった模様。10.2 追記


この番組出演もそうですが、最近人前に出てお話をする機会が増えてきました。幸いにも「清水さんの話を聞いてみたい」と思ってくださる人が増え、自分もその期待に応えるに足るネタを持ち合わせるようになったのかなと解釈しています。

思えば随分昔、まだ半ば学生で全く実績のない時分に家具デザインの実践についてのレクチャーを依頼され無謀にも試みたことがありました。実績ゼロは話す事がないも同然です。結果、たいへん内容の薄い講義になってしまいました。当時受講してくださった皆さんには申し訳なかったですが、僕としては「デザイナーは語る職業でもある」つまり「語るほどの背景がなければデザインはできない」と意識するきっかけになり、良い経験となりました。


このブログも貴重な「本人が語る場」の一つです。講義・講演、そして各種メディア対応と併せ、デザインが生み出される背景にあるアレコレについて自分の言葉で発信をするために、これからも活用していこうと思います。


デザインの舞台裏(1) more trees 万年カレンダー

坂本龍一さんが代表を務める森林環境保全団体 more trees との最初の商品開発となったのが、この万年カレンダーです。2009年に発表しました。

2面ないし3面に7つ置きの数が印字された7本の四角柱が、台の上の乗っているというだけの非常にシンプルな構造になっています。毎月1度、これらの四角柱をずらしながら回転させることで、永遠に使えるというこの仕組みは、カレンダーを見ていて曜日毎の縦の数字の並びが常に同じであることに気付いたことから編み出したものです。

時の移ろいを、数字だけでなく、長い年月の中で経年変化をしていく木という素材の表情によって確かめることができるこのカレンダーは、自分がデザインした商品の中で個人的に最も気に入っているものの一つです。月に1度、少しだけ頭を使いながら無垢の木に触れることは、脳への良い刺激にもなるはずです。

また、「これをプレゼントしてくれたあの人は、今どうしてるだろう」などと、触れるたびに思い出すかもしれません。そういう意味で、ギフトとしてもってこいのアイテムだと思います。


そんな万年カレンダーですが、「どうやら永久に使える仕組みを編み出せたようだ」と思ったのは良いものの、本当に全ての日にちと曜日の組み合わせに対応できるのかを検証するのが大変でした。正確に言えば、大変だったのは僕ではなく、バルサ材の木っ端に数字を書き込んだ模型でひたすら実験を繰り返したマネージャーですが…。数学的な頭脳があれば、もっとスマートに検証できなのだろうと思いますが、これもこれで確かな方法でした。


松山修平さん

 大阪を離れる直前に、ホテルグランヴィアで開催中の ART OSAKA 2012 に立ち寄りました。ミラノ在住の頃に現地のアトリエにお邪魔させていただいた画家の松山修平さんが新作を出展されていて、ちょうどその日会場にいらっしゃるとのことだったからです。何年ぶりでしょうか、たいへんに久しぶりだったのですが、全くお変わりありませんでした。



松山さんのウェブサイトのトップページに、イタリア語でとても良いことが書かれていたのでちょっと訳してみます:

なぜ仕事をするのですか?と聞かれたら、
私は答えます:成長するために。
なぜ成長したいのですか?自らを知るために。
なぜ自らを知りたいのですか?自らを表現するために。
なぜ自らを表現したいのですか?アーティストであるために。
なぜアーティストでいたいのですか?自由であるために。
なぜ自由でありたいのですか?人生の喜びを得るために。

そう。自由ってホントに大切なことなんですね。

100%自由な人生を歩めるラッキーな人は、ほんの一握りだと思いますが、縛られ続ける日々の中にもささやかな自由を持つことで、人生の幸せ度は全く違ってくるはずです。自分にとっての自由、自分にとっての人生の喜びって、一体どんなものなんだろう..。

奇しくも天童木工の新作のコンセプトも「成熟と自由の証」。

ここ数日「自由」がキーワードのようです。



ちなみに、ART OSAKA には沢山の画商やアーティストが軒を連ねていましたが、松山さんが作品を並べていた芦屋画廊のスペースの3つほど先のミヅマ・アート・ギャラリーの空間には、大学の同期である画家の池田学君の作品もありました。


大阪での日程を終了

 新作発表展を開催中の天童木工大阪ショールームで、2日連続のギャラリートークをおこないました。今回も多くの方々にお越しいただき、大変ありがたく、光栄でした。中には悪天候にかかわらず遠方より駆けつけてくださったり、2日とも来てくださった方々もいらっしゃって、半分恐縮に近い気持ちです。何名かの方とは数年ぶりの再会を果たしました。


不思議なことに大阪には殆ど縁がなく、数年に一度足を運ぶかどうかといった具合だったのですが、先日を境に「大阪へ行ったら会いたい人」が一気に増えました。今までは、大阪といえば、言わずと知れたこの方でした:


今回トークには来られませんでしたが、たっぷり2時間ほどお時間をいただいて色々とお話ができました。

そして今回は、自分のデザインした家具にサインもしました。新作ではありませんが2008年に発表した PRUA です。岡山の有名な「イームズコレクターの家」の主でいらっしゃる妹尾さんがお買い上げくださり、是非サインをとのことだったので「TENDO」のラベルの下に..。「イームズコレクターの家」にもいずれ遊びに行きたいと思います。


新たなバランスに挑戦

 ネットショップである J-PULSE のオリジナル家具シリーズとして僕がデザインをした START SERIES が発売となりました。この商品の開発を機に何度か中国へ赴くようになり、新たな産地を知ったという意味で、僕にとっても一つの"START"となったシリーズです。



安心して日常的に使える家具、どんな空間にも合わせやすく飽きのこないノーマルな家具...。それを極めてリーズナブルな価格帯の中で十分なクオリティをもって実現させるというのは、なかなか頭を使う作業でした。しかし、J-PULSE の運営会社であるマキ・コーポレーションの皆さんや、現地スタッフをはじめとした方々のご協力のお陰で、とても良いものが出来上がったと思います。
また、いつも比較的高額な商品のデザインをやらせていただいているので、START SERIES の販売価格を見るたびに驚いてしまうのですが、ただ単にお手頃なのではなく、確実に値段以上の品質で、なおかつデザイナーの顔が分かるというのが、このシリーズの魅力になっているんじゃないかと思ってます。世の中「安い家具」はいくらでもあると思いますが、この「バランス」は START SERIES だけかもしれません。
J-PULSE からは今後も色々な家具を出していく予定なので、そんな「バランス」の商品はもっと増えていくでしょう。乞う、ご期待。

START SERIES がどれほどお手頃なのかは、是非 J-PULSE のウェブサイトでご確認ください。きっとビックリします:


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